アイロン不要の白衣とは?

医療機関や薬局に勤めている人の必須のアイテムと言えば、やはり何と言っても白衣です。医師、看護士、薬剤師と言って最初にイメージするのも白衣です。

最近は、色も白だけでなく、薄い青やピンクなどもあります。しかし、いずれの色であっても重要なことは清潔感です。汚れている、シワだらけでは、患者さんの信頼も揺らいでしまいます。ただ、洗濯やアイロンは面倒です。

とりわけアイロンは大変という声をよく聞きます。

白衣で外出するときの問題点は?悪印象を与えないための方法まとめ!

意外と面倒な白衣の洗濯

アイロンの前にまず、やっておく作業が洗濯です。大きな総合病院や大学の付属病院などは、クリーニング業者に外注として出すこともあります。しかし、個人で運営している病院は自分で洗濯しなければなりません。また、大きな病院であっても個人的に購入した替えの白衣は自分で管理しなければなりません。

家庭用の洗濯物と区別して洗濯をする必要があるし、ウイルス対策としてハイターなどの洗剤に漬けおきして洗う必要もあります。普通の洗濯物以上に気を使うのが、白衣の洗濯です。

アイロンがけは洗濯よりも大変

洗濯よりも大変なのがアイロンがけです。洗濯と違って一つ一つ丁寧にかける必要が出てきます。したがって、ついつい面倒になってしまい、とりあえず、洗濯はしてあるので汚れていないから大丈夫だろうと、アイロンがけを怠る人も中にはいます。

患者は意外に見ている

確かに洗濯をしてあれば、一応、清潔ではあります。

しかし、シワだらけの白衣というのは、医療機関に勤める人は、厳禁です。というのは、患者は意外にも医師や看護師の服装を見ています。あるアンケートの結果でも、医師の気になる点で2位以下を大きく引き離して1位になったのが「服装が汚れている、だらしない」という点です。

人は見た目から入ります。それは、医師や看護師であっても変わりありません。いくら医師や看護師としての技量が優れていても、第一印象が悪いと信頼も保てません。「こんな汚い、だらしない服装の人に自分の身体を預けても大丈夫なのだろうか?」という印象をもたれることもあります。

大きな病院では、あなたへの信頼だけでなく病院への信頼も損ないかねません。個人経営の病院ならば、言うまでもなくあなたそのものの信頼に関わってきます。衣服の清潔さは患者への対応の第一歩と考えて、衣服の清潔感は常に保つように心掛けます。

シワになりにくい白衣を

洗濯以上に面倒なアイロンがけです。できれば、この手間を省きたいという人には、シワになりにくい素材の白衣を選ぶことが重要になってきます。個々の商品によって若干の差異がでてきますが、一般的な白衣と比べるとシワになる率はかなり減ってきます。

では、どういう素材がいいのでしょうか?それは、ズバリ、ポリエステルが配合されている素材です。ポリエステルはナイロンなどと同じ化学繊維です。化学繊維は、綿や麻などの天然素材と比較すると組織が非常に硬くできていて反発する力が強く出来ています。

この反発する力が高ければ高いほどシワが出来る率が少なくなります。ポリエステルの配合率の高い白衣はシワになりにくいと言えます。

ニット素材も有効

ポリエステル以外では、ニット(編み物)素材も有効です。ニット素材はTシャツやカットソーなどによく使用される素材として知られています。一般的な織物と比較するとニット素材は、その伸縮性が高いというところも特徴として挙げられます。

最も重要な点は、織物素材というのは、基本的に乾燥するのが非常に早く、干されている状態のままで乾いてしまうのですが、ニット素材は水分を含みやすい性質を持っており、乾く時間も非常に緩やかです。これは、含んだ水分がゆっくりと下に移動しながら乾燥するためです。

したがって、乾燥した時にシワができにくいという特性を持っているのがニット素材ということになります。ただし、注意をする点が一つあります。

同じニット素材であっても薄手のものは、水分を含みにくいことがあります。そのため、シワが残ってしまうこともあります。洗濯の際には、生地の厚さにも注意を払って下さい。

手入れも大事

ポリエステルやニットなどのシワになりにくい素材を選んでしまえば、それで終わりというわけではありません。日々の手入れも十分に必要です。手入れ如何でシワができる率はかなり違ってきます。基本的に「通常の洗濯」「短めの脱水時間」「脱水後の軽いシワ伸ばし」のポイント3点を押さえれば大丈夫です。

「通常の洗濯」では、ごく普通に洗濯しておけば大丈夫です。あまりにもしつこい汚れなどがある場合は、ウイルス対策も兼ねてハイターなどの洗剤につけて置いて殺菌をしたのちに通常の洗濯をしてください。3つのポイントのうちで最も重要な点が「短めの脱水時間」です。

洗濯機のスタートボタンを押す前に脱水時間の設定を変更するのですが、ここでは、1~2分程度を目安としてください。というのもポリエステルは乾燥性が非常に高くできている素材です。脱水時間があまりにも長くなってしまうとシワがついたままの状態で乾燥してしまいます。

最後は「脱水後の軽いシワ伸ばし」です。脱水が終了したら直ぐに洗濯機から取り出してください。手で軽くシワを伸ばしたら、ハンガーなどにかけて乾燥させます。

乾燥機使用時の注意

「忙しくて乾燥させている時間がないので、やはり乾燥機を使って乾かしたい」という人も多くいるはずです。乾燥機を使うことは、もちろん大丈夫です。その方が手っ取り早いし、便利な機能はどんどん使っていくべきです。

しかし乾燥機を使うに際しては、注意すべき点があります。それは「乾燥機にかけてそのままの状態で放置しない」ということです。というのは、ポリエステルなどのシワになりにくい素材であっても、乾燥機にかけたまま長時間放置することでシワができた状態のままになってしまうからです。

では、どうするか?一番良い方法があります。まだ、完全に乾ききっていない状態で洗濯機から取り出して干してしまうことです。少しの水分が残っているような状態であっても、乾燥機にかけたことでできてしまったシワを伸ばすことが可能です。

どうしても乾燥機を利用して乾かしたいという人は、乾燥機が終了したら洗濯機からすぐに取り出して、シワを伸ばしながら一つ一つ丁寧にたたんでいくということにも注意しておいてください。また、使用している白衣によっても乾燥機の使用ができない白衣もあります。

洗濯表示などをよく確認してから乾燥機を使用しましょう。